さらに深刻化する老々介護
#介護 #社会問題
2021.06.28
介護者、要介護者がともに65歳以上であることを老老介護といい、2013年には、老々介護の状態にある世帯が在宅介護をしている世帯の50%を超えました。
妻が夫の介護を行う・夫が妻の介護を行うという配偶者間の組み合わせが主でしたが、現在では、平均寿命が延びたこともあり、高齢者である子が親の介護を行うという組み合わせも珍しくなくなりました。また、親が子の介護を行うといった逆老々介護の事例も徐々に増えつつあります。
介護疲れによる事件も年々増加していて、国や行政のさらなる対策が必要です。
休みなく続く介護、金銭不安などによる精神的負担が介護疲れの大きな要因になっています。在宅介護の場合は、そのほとんどを同居者が行うしかなく、かなりの身体的な負担も強いられてしまいます。
老々介護の問題は、介護する側のケアをどのようにするかということにつながります。
介護者のケアの代表的なものとして、デイサービスやショートステイがあります。
在宅介護の要介護状態の方(利用者)が、福祉サービスなどを利用している間、介護をしている家族などが一時的に介護から解放され、休息をとれるようします。
医療管理が必要な要介護者がいる場合は、病院が行っている「レスパイト入院」を利用することもできます。
*レスパイト入院とは
介護者の日々の疲れ、冠婚葬祭、旅行などの事情により、一時的に在宅介護が困難となる場合に期間を設けた入院の受け入れを行い、介護者の負担軽減(息抜き)を目指す仕組みです。
医療保険が利用できます。
入院期間は、一般的には2週間以内が多いようです。しかし、受け入れてくれる病院が少ないのが現状です。ケアマネージャーに相談するか、「地域包括ケア病棟」などの名称の病棟がある病院に問い合わせをしてみてください。
在宅での介護が困難になった場合は、本人の意思を尊重しつつになりますが、施設に入所してもらうという選択肢もあります。
しかし、このような介護保険サービスを利用することで負担軽減をできるにも関わらず、介護疲れによる事件が増加しているのが実態です。
経済的な理由によりサービスが十分に利用できないということも多々あると考えられますが、そもそもこういった情報を知らないということもあるようです。
行政や地域包括、民生委員などに相談をすることでいろいろな支援の情報を得ることができます。
しかし、介護によって追い込まれていたりすると、孤立し、外部とのつながりが遮断され、本来受けられるはずの支援を受けられないといったことも起こります。
介護疲れによる事件のすべてとはいわないまでも、こうした支援を利用することで未然に防げたものが少なからずあったはずです。
支援や制度、それにまつわる情報や相談先など、十分とはいえないまでも、ある程度の環境は整っています。
近所の方などの情報提供によってつながり、支援を受けられたという事例も数多くあります。
情報提供先は行政や地域包括、民生委員などが主ですが、助け合い村にご相談いただくことでも必要な機関につなぐことが出来ます。
気になる方がいる場合は、ご連絡ください。