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誤解しがちな遺族年金の計算方法

これからは遺族年金を受給できない人が増えます

今までは夫が厚生年金や共済年金(以後「厚生年金等」)の受給者で、妻が専業主婦という世帯が多く、夫が死亡の時、ほとんどの方が遺族厚生(共済)年金(以後「遺族年金」)を受給できていました。

しかし、現在70歳以下の世代は共働きが多く、夫も妻も厚生年金等を受給する世帯が多くなっています。このような場合、遺族年金を必ずしも受給できるとは限らなくなりました。

特に、妻が亡くなった場合、夫が遺族年金を受け取ることができるのは稀なケースと言えます(一般的に老齢厚生年金等の額は夫の方が妻よりも多いため)。

もともと国民年金だけの加入期間しかない方は、高齢者に関する遺族年金の制度そのものがありません。(遺族基礎年金が受給できるのは、18歳未満の子がいる配偶者か18歳未満の子です)

遺族年金の計算方法を誤解していませんか

多くの方が誤解しているのは、亡くなった方の受け取っている年金額の4分の3が遺族年金の額と思っていることです。もともと国民年金には「高齢者がもらえる遺族年金制度」はありません。そのため、遺族年金の計算基礎とはなりません。計算の基礎となるのは、厚生年金等の部分(報酬比例部分といいます)です。この年金額の4分の3ということになります。

年金額が月額20万円の場合、そのうち6.8万円は老齢基礎年金部分です。遺族年金の計算基礎となるのは13万円ほどです。遺族年金額の受給額は10万円弱です。

また、支給にあたっては、老齢年金が優先されるということです。亡くなった方の遺族年金の計算額と、請求者の老齢年金額を比較してみて、

老齢年金額が多い場合は、遺族年金は支給されません。

また、齢年金額が低い場合は、支給されますが、支給されたとしても、遺族年金と老齢年金との差額だけです。

夫婦どちらかが亡くなると、第3号被保険者*1の方や会社勤務期間が短かった方を除いて、ほぼ自分の年金だけになると考えておいた方がいいでしょう。夫婦が二人とも元気なうちから、このような生活設計をしましょう。

遺族年金は失権することも

遺族年金は、以下のような場合失権しますので、注意をしてください。

  1. 再婚をした場合(内縁関係も含みます)
  2. 親族以外の人と養子縁組をした場合など

失権した権利は復権することはありません。

年金生活者支援給付金の申請を忘れずに

 単身生活者になることで、住民税非課税世帯になったり、遺族年金受給によって所得要件が該当することになるなどして、今まで対象となっていなかった年金生活者支援金の給付対象になる場合があります。遺族年金請求時には必ず確認してください。

*遺族年金は制度が複雑です。障害基礎年金が支給停止になる場合や受給年齢により計算式が異なっていたり、寡婦加算がある場合があったりします。    

興味のある方は、年金事務所に相談に行ってみるのもいいのではないでしょうか。一人になった時の生活設計に役立つかもしれません。

*1 「3号」とは、配偶者の一方が厚生年金等の場合で、もう一方が専業主婦(夫)の場合。専業主婦(夫)の方を3号被保険者といいます。

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