自筆証書遺言で自分らしい最期を
#支援事例 #相続遺言 #葬儀納骨
2025.02.17
身元保証契約と死後事務契約
Tさんは60代の女性で病院に入院中でした。持ち家の一軒家で一人暮らしをしていましたが、退院後は自宅に戻らず24時間医療体制が整っている施設へ移ることになっていました。Tさんの両親、兄は亡くなっており、血縁者はいとこと母方の叔母と叔父が遠方にいるとのことでした。病院のソーシャルワーカーからの紹介で、施設の身元保証人や施設に入ってからの生活支援のこと、また年金の繰り下げの手続きについてもお願いしたいという相談をうけました。
後日ソーシャルワーカーから施設の保証人は、いとこが引き受けてくれることになったと連絡が入りました。しかし施設の入居日にいとこから「保証人を引き受けられない」と連絡がありました。すぐに施設へ訪問し、Tさんといとこと話し合い、身元保証契約と死後事務契約を結ぶことになりました。いとこの方もできる範囲でのサポートはしますということでした。
Tさんの両親と兄が納骨されているお墓があり、自分もそのお墓に入りたいという要望がありました。葬儀社やお墓の手続きを進めていきましたが、お寺のしきたりとTさんの認識に相違があり、住職や檀家の方と相談を重ねて、なんとかTさんのご希望を承知してもらうことができました。
自宅については、「空き家になっては近所に迷惑がかかってしまう」といことで、売却をすすめたいという意向もありました。
自筆遺言書の作成
また、Tさんには相続人がいなかったので自筆遺言書を作ることになりました。
入所中は友人の方がよく面会に来ていて、一緒に演奏会にもでかけたりしていました。職場で出会ったグループでとても気が合うこと、母親が亡くなって一人になってしまったときに支えてくれたことなどを話していました。
Tさんの体調は急に悪化してきていましたが、なかなか遺言書をすすめることが出来ていませんでした。痛みがでてきて辛そうな日もありましたが、なんとしても書き残したいというお気持ちが強く、何日もかけて遺言書を作りました。遺言書の中には相続に関する内容のほかに、友人達に対しても感謝の気持ちを込めているような文面もありました。
まもなくTさんは亡くなりました。あらかじめご希望があった葬儀社にお願いし、住職に連絡をとり、打合せ通りお葬式が行えました。亡くなったことを連絡して欲しいと伺っていた友人や近所の方に連絡をとり、友人の方々がお葬式に参列してくださいました。
数か月後、Tさんの遺言書は家庭裁判所で検認の手続きを終えて、執行されることになりました。
自分が亡くなった後の葬儀や納骨などは、なかなか相談しにくく、誰にお願いしようかと悩んでいるうちに体調が悪くなってしまうこともあります。将来のことで気にかかる事や、心配事がありましたら、ぜひ助け合い村にご相談ください。