高額療養費制度を活用していますか?
#健康 #生活
2025.04.07
高額療養費制度は医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、1ヶ月(1日から月末まで)の上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。公的医療保険に加入されている全ての方が対象となります。
いくつか注意しておくポイントがあります。
- 食事や差額ベッド代、入院に必要な日用品、自費診療の費用などは含まれません。
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月をまたぐと別計算になります。
たとえば自己負担限度額約8万円の患者が4週間入院し、15万円の治療費がかかったケースでは、入退院が同じ月なら高額療養費制度を利用すれば約7万円が支給され支払いは8万円で済みます。ところが、入院の日程が月末から翌月にかかるなどして、それぞれの月の治療費が7万5千円となった場合、ひと月の限度額を超えないため、高額療養費制度を利用できません。入退院が同じ月に収まっていたら約8万円で済んだのに、月をまたいだため15万円かかってしまうことになります。
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申請から3~4ヶ月後に銀行口座に振り込まれます。
医療費が安くなる高額療養費制度ですが、実際には一旦3割負担して、払い過ぎた分が後から戻ってくる仕組みとなっています。※事前に限度額適用認定の申請をすることで、窓口での1ヶ月分の支払いが、自己負担限度額までとなります。
自己負担限度額は、年齢や所得、世帯によって異なりますので確認が必要です。申請は加入している公的医療保険の公式サイトや、市区町村の窓口で入手できる申請書を提出することで行います。 -
2年までさかのぼって申請ができます。
診療を受けた月の翌月の初日から2年間です。したがって、この2年間の消滅時効にかかっていない高額療養費であれば、過去にさかのぼって支給申請することができますので、領収書は大切に保管しておきましょう。 - 入退院や高額な化学療法を繰り返すなどで、1年に4回以上高額療養費制度の対象になると、4回目からは自己負担額がより少ない額で済むようになります。
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基本的に入院と外来は別計算になります。(70歳未満の方)
- 同一の医療機関で受けた治療の場合も、医科と歯科は分けて計算します。
- 病院で交付された処方箋を使い、院外の薬局で薬を受け取った場合、処方箋を出した病院の自己負担額分に合算します。
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個人では限度額に満たなくても、同一世帯内(※1)で自己負担額を合算して限度額を超えれば利用できます。
※1 同一の公的医療保険に加入する家族分が合算できます。
②のポイントにもあるように、期間も重要になってきますので、急な入院や手術の場合は別として、日程の調整が可能な場合には医療機関と相談しながら月のはじめに入院し月末までに退院の調整をすると費用が抑えられるでしょう。
また、③の限度額適用認定を事前に申請することで、支払いの負担をすくなくすることができます。もしものときの備えとして、高額療養費制度の自己負担限度額を知っておき、ぜひ有効に活用してください。
※今回の記事は2025年4月現在の情報です。2025年は見送られましたが、政府は高額療養費制度の見直し(自己負担限度額の引き上げ等)を検討していますので、ご利用にあたりましては最新の情報をご確認くださいますようお願いします。
詳しくは厚生労働省の「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をご参照ください。