相談支援員 ブログ

自宅の整理と施設入所支援の事例

Aさんは80歳代の一人暮らしの男性です。

夏に熱中症のため入院し、病院の医療相談員からの紹介で私たちに連絡がありました。

衰弱のため2カ月ほど入院していましたが、体力も回復してきたので退院して療養施設へ移りたいという相談でした。

また、万が一の時に備え、先に亡くなった妻子と同じお墓に入りたいので、葬儀社とお墓の契約だけは済ませておきたいという要望もありました。

そのため、Aさんと私たちで身元保証契約を結び、施設入所や葬儀社などとの手続きを進めていきましたが、大きな問題にぶつかります。

それは、今まで住んでいた自宅の解約です。

Aさんの施設入所の期間がどの程度になるか目処が立たなかったため、金銭的な面からも住んでいた自宅はいったん引き払う必要がありました。

Aさんの自宅は、団地の3階にあり間取りは2K、一般的な家財処分の費用は30~40万円程度です。

その時点の預貯金残高は、家財処分と身元保証に必要な費用、施設入所に際しての費用などを工面しても足りる試算でしたが、実際にAさんの自宅を訪れると、その試算では十分でないことがわかりました。

Aさんの自宅には、所狭しと物が置かれ、天井近くまで積みあがっていました。大切な物と捨てるもの、紙類や金属や衣服なども分別されていない状態です。

念のため、家財整理業者に見積もりをお願いしましたが、どんなに安く見積もっても60万円、その他に家電等の処分費用がかかるとのことで、完全に予算オーバーでした。

しかし、Aさんの入所後の生活を安定させるためには、自宅の解約は必須です。

そこで

私たちは、いろいろなところへ声をかけ、自宅の片づけに協力してくれる人を集め、トラックをレンタルし、業者を利用せずに片づけるという方法をとることにしました。

部屋の天井まで積みあがった服や食品の空の容器、以前Aさんが仕事で使っていた工具や大量の鉄製工材など、雑多な品々を分類しながらゴミ袋に詰め、それを3階から手作業で降ろすといった作業を繰り返しました。

持ち出し作業は延べ5日間におよびました。

ゴミの処分だけは私たちではどうすることもできず、処分業者に持ち込みました。

可燃物やプラスチック類だけで30t以上ありましたが、それでも何とか予算内に収まりました。

その後、自宅の解約も済み、Aさんは無事に療養施設へ移ることが出来ました。

Aさんは、入所先の施設で1年ほど元気に過ごしていましたが、何の前触れもなく就寝中にお亡くなりになりました。

本当に突然の事でしたが、生前に済ませておいた様々な手続きで葬儀も無事に終わり、今は妻子の眠るお墓に一緒に埋葬されています。

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