遺贈寄付の方法
#相続遺言
2021.04.19
亡くなった方が、遺言等によって、遺産の全部または一部を法定相続人以外の人(法人も含む)に贈与することを遺贈と言います。
この遺贈によっておこなわれる寄付を遺贈寄付と言います。
相続財産の額は、5年ほど前の試算では50兆円程度と言われていました。また、相続人がいないことで、国庫納付になった額は400億円程度に上ります。
相続人がいない場合、遺贈先を決めておかなければ基本的には国庫納付となります。
自分の死後、残された財産の使い道を指定したい方には、遺贈寄付という方法があります。
遺贈寄付を行いたいと考えている人は、40歳以上の方では20%を超えるとの調査結果があります。また、70歳以上の方で生前何らかの寄付行為をしている方は6割以上にのぼり、社会貢献に対する高齢者の意識は高くなっています。
しかし、実際に遺贈寄付の為に行動を起こしている方は、数%程度と言われています。
なぜ、考えていることと、実際に行われていることの間に差が発生するのでしょうか。
遺贈寄付をしたいと考えている理由
- 相続人がいないので、遺産を有効に使ってもらいたい。
- 団体や個人の活動に賛同しているので、遺産の一部を活動資金に充ててほしい。
- 今まで支援していた団体を、自分の死後も引き続き支援したい。 等
遺贈寄付しなかった要因
- どこに寄付をしていいのかわからない。
- 手続きの仕方がよくわからない。
- 相続人との関係で揉めるのが困る。
というようなことが推測されます。
では、遺贈寄付をするにはどのような準備が必要なのでしょうか。
いくつかの方法がありますが、支援の理由により変わってきます。
遺贈寄付の主な方法
・遺言による寄付 遺産の全部、または一部を民間非営利団体などに寄付することを遺言に遺す。 ・信託による寄付 信託を引き受ける者との契約によって、財産の全部、 または一部を民間非営利団体に寄付することを約束する。
他には、相続人に口頭やエンディングノートで寄付を依頼したり、遺言書に付言することにより寄付することも可能です。が、しかし確実に行われるとは限りませんし、行われても金額により相手に贈与税が発生する場合がありますので、あまりお勧めできる方法ではありません。
信託による寄付は、支援していた団体を死後も定期的に支援したい場合や、2世代以上にわたって遺産を管理(子の代だけではなく、孫の代以降も)したい場合、また株式や投資信託の利益を配分したい場合などには有効と思われます。
ただし、委託先によっては管理費や信託維持のための事務費が発生しますので、資産の全てを活用することはできません。そのため、方法としては限定的な利用と思われます。
遺言による寄付が一般的と思われますので、別記事で詳しく説明します。