相談支援員 ブログ

耳が不自由な方の支援事例

一人暮らしのTさんは、病気で入院中だったこともあり、お金の管理や身の回りのことを自身で行うことが困難な状態でした。

助け合い村では、入院先のソーシャルワーカーさんの紹介で、金銭管理も含めて生活支援全般をしてほしいという依頼を受けました。

Tさんは耳が不自由だったため、筆談がメインになりましたが、3人兄弟の長男であること、中学を卒業してすぐに印刷会社に住み込みで働きにでたこと、週末には実家に帰り母親の世話をしたこと、障がいがある両親に代わり二人の弟を高校まで出したことなど、いろいろな話をしてもらいながら、聞き取りをすすめました。

独身で子供はなく、弟の一人は亡くなり、もう一人は行方不明で、近い親族に甥がいるもののほとんど交流がなく、苦労しながら単身暮らしてきたとのことでしたが、終始笑顔で穏やかにお話をする姿がとても印象的でした。

収入は月10万円ちょっとの年金だけ。

それでもなんとかやりくりをしながら蓄えてきた預貯金も、私たちが金銭管理をする段階では、病気の治療費がかさんだことでほとんど底をついている状態でした。

そこで、私たちがまず取り掛かったのは生活保護の受給申請です。

年金額をみると、保護基準を2千円ほど上回っていましたが、市の担当者に何度も相談し、治療費や介護保険料などを含め本人の収支状況を細かく計算しなおすなどしたところ、生活保護を受給することができました。

これによって医療費などによる家計の圧迫がなくなり、収支の改善が図れました。

また、病気による体力の衰えなどを考えると、耳が不自由なままでは、退院後の自宅での暮らしに支障がでると判断し、その改善策を求めてTさんを耳鼻科にお連れしました。

その結果、聴覚障害の認定を受けられることがわかり、補助金で補聴器を購入することができました。

何年かぶりに聞こえることに、Tさんがとても喜んでいたのを覚えています。

退院後は自宅に戻ることができましたが、病気の再発等もあり、何度か入退院を繰り返した後、自宅での一人暮らしは難しいという医師の判断を機に、何十年も住み親しんだ自宅を離れ、施設へ入所することになりました。

施設に移ってからのTさんはその穏やかな人柄で施設の職員さんやほかの入居者の方ともすぐにうちとけ、デイサービスにも毎日参加して作品を作ったり体操をしたりと楽しそうに過ごされていたようです。

いつも笑顔で「ありがとう」を欠かさないTさんに、励まされるといってくださる職員さんもいました。

 そんなTさんも、肺炎が原因でお亡くなりになりました。

ご葬儀は、近しい親族の方がいないこともあり、私たちが参列をさせていただき、無事に納骨まで終えることができました。

私たちの活動が、Tさんの穏やかな晩年の一助になったのであれば、こんなにうれしいことはありません。

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