「お墓を買う」の意味とは
#葬儀納骨
2021.09.13
よく「お墓を買う」と言いますが、実際にはお墓を買っているわけではありません。
墓石は買えますが、墓の土地を買うことは普通ありません。墓の土地の所有権は、墓地の設置者が保有しているのが一般的です。
「お墓を買う」というのは、お墓の永代使用権または墓地使用権を取得することです。
土地を借り、お墓を建て、将来にわたる使用料を一括して払っているのです。
この使用権は、借地権と同様、相続人や祭祀権者(お墓の管理や仏壇・位牌を管理する人)が受け継ぐことはできますが、勝手に第三者に売買したり譲ったりすることはできません。
お墓以外の目的での使用もできません。
また、改葬や墓じまいをする場合は、墓石を撤去し更地の状態に戻して、墓地の所有者に返却しなければなりません。
永代使用権は「永代」とあるため、この権利は子々孫々、末代まで保証されたものと思われがちですが、多くの墓地が使用権の取消規定を設けています。
使用権は、墓地所有者との一般的な契約にすぎず、借地権のような法律で定められた強い権利ではありません。契約解除、使用権取り消しも場合によってはありえます。
一般的には次のような場合に使用権が取り消されます。
・連絡もなく、既定の年数以上放置した場合
・使用名義人が死亡してから既定の年数が経過しても承継する者がいない場合
・既定の年数以上管理料を納めなかった場合
・使用規則の目的以外に使用した場合
・無断で使用権を譲渡または転貸した場合
・使用権を得るときに偽りがあった場合
・寺院墓地の場合、他の宗旨・宗派の方法で法要を行った場合
・寺院墓地の場合、名義人が改宗した場合
等です。
墓地には、その墓地ごとの使用規則があります。
この規則に反した時は、永代使用権の取り消しの対象になりますので、十分に使用規則などをチェックしてから契約しましょう。
お墓の承継者は、墓の管理や墓じまいなどについて大きな権限を持っています。
墓の管理者と相談して現在の使用権者(祭祀権者)が亡くなった場合の承継者を事前に決めておくことが大切です。
墓地によっては、使用規則で、お墓の承継者を三親等以内の親族に限る取り決めや、同じ姓の者に限定しているところもあります。
墓地選びの段階から、使用規則の取り消し条項に十分に注意し、先のこと(墓を継承してくれる人がいるか)を考慮した上で、検討することが大切です。
また、墓地の使用契約を結んだあと、利用しないことになった場合でも、支払った使用料は、通常返却されることはありませんので注意が必要です。
改葬や墓じまいをする場合は、墓石の撤去費用や収めた遺骨の処置などに、かなりの出費を見込んでおく必要があります。(金額は、墓地の設置者や墓石の大きさ、納骨された遺骨の柱の数によって大きく異なります)
いわゆる「墓を買う」選択肢だけではなく、共同墓や樹木葬・海洋散骨という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
助け合い村では、今年4月から共同墓の運用を開始しました。ご興味のある方はご相談ください。