相談支援員 ブログ

平穏死という最期の迎え方

あなたは、どのような人生の終わりを希望しますか。

自身の最期を迎える場所についてアンケートを取ると、7割以上の方が自宅等で亡くなることを望んでいます。しかし、実際は8割以上の方が病院で亡くなり、自宅等で亡くなる方は圧倒的に少数です。

また、延命治療を希望しない人は9割以上いますが、延命治療をしない病院は2割以下です。とくに大病院では、ほとんどの病院で延命治療を行います。

なぜ、本人の希望と現実は異なるのでしょうか。

それは、終末期の状態になったときに、判断を下すのは本人ではなく家族や親族だからです。大切な家族や親族であればこそ、一分一秒でも長く生きていてほしいと思います。

そのため容体が悪くなれば、すぐに病院に連れていくか、救急車を手配します。病院に行くということは、治療を施すということです。それは、結果として延命治療につながります。ましてや、救急車を呼ぶことは「延命治療をお願いします」と宣言をすることに等しいのです。

延命治療とは、人工呼吸や心臓マッサージなどを行う治療のことです。たとえ回復の見込みがないとしても行われ続けます。

 延命治療を望まない、自然の摂理に従って最期を迎える、このような最期を最近「平穏死」というようになりました。尊厳死や自然死と同じく、苦痛なく安らかに死を迎えることです。

平穏死の大前提は、延命治療をしないこと、病院で最期を迎えないことです。

病院は治療するための施設ですから、入院した以上様々な延命治療が施されます。延命治療は、一度始まると途中でやめることが難しくなります。

人は、老衰で亡くなる状態になると、食べ物や飲み物を受け付けなくなります。これは、体が旅立ちの準備をするためで、代謝を低下させ、ゆっくりと安らかに体の機能を停止していくのです。

しかし現実は、食事ができなくなると経管栄養で食事を補給し、無理やり消化器官を動かします。このことで、注入された食べ物が逆流をしたり、下痢をしたりと、苦しみも増してしまいます。

自分自身の希望通り、平穏な死を迎えるためにはどうすればいいのでしょうか。

一番必要なのは、家族との十分な話し合いです。

自分自身の最期は「こうしてほしい」と宣言をします。例えば「病院ではなく自宅等で最期を迎えたい」とはっきり伝えておくことが重要です。

平穏死を迎えるためには、死ぬ間際には病院に入院しないことが必要です。しかし、体調に異変が起きた時に救急車を呼べばそのまま病院へ搬送されてしまいます。そんな時は、救急車を呼ばずに「かかりつけ医」に連絡しましょう。かかりつけ医は、訪問医療を行う医師にお願いします。その医師と、看取りについて十分な話し合いをしておくことが大切です。

入所施設での平穏死を望む方は、施設で看取りを行っているかを入所する前に確認しましょう。

また、自分の最期について文書で残すこともできます。公正証書で作成できますし、尊厳死協会に登録しリビングウイル(生前の意思表示)を残すこともできます。いずれの場合も、家族や医師と十分に話し合いをしておくことが、自分の望む最期を迎えるために必要です。

助け合い村では、エンディングノートと合わせて「延命治療に関する意思表示」を書いていただいています。ご本人が意思表示ができない時には、その書面を代理で医師などに提示することも承っています。ぜひ、ご相談ください。

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