急に破綻してしまった夫婦の事例
#支援事例
2022.07.11
70代の夫Aさんと妻Bさん夫婦は、賃貸アパートに二人で暮らしていました。
二人に子どもはいません。
妻のBさんは中度の認知症でしたが、夫のAさんが買い物や洗濯などをして、なんとか二人で生活をしていました。
しかし、Aさんが脳梗塞になり、自宅での生活が困難なため、リハビリ施設に入所しました。このことがきっかけとなり問題が起きました。
一つ目の問題は
Bさんも自宅での一人暮らしが困難になったことです。
身体は至って元気なBさんは、夫がしていた買い物や洗濯をするようになりました。
しかし、買ったものを冷蔵庫に入れることができず食材を全部腐らせてしまいます。さらに、その腐ったものを食べてしまって体調を崩してしまいました。
他にも、洗濯物をずっと洗濯機に入れっぱなしにしてしまう、掃除ができないなど家事全般が満足にできない状態になりました。
Aさんが帰宅できる時期の目途も全くたたなかったため、Bさんはやむなく施設入所をすることになりました。
二つ目は金銭的な問題です。
夫婦の収入は年金のみで、二人分合わせて月16万5千円程度でした。
賃貸アパートで生活しているときには、やりくりができていましたが、二人が施設入所したことで急激に家計が圧迫され、預貯金がみるみる減っていく状態に陥ったのです。
助け合い村が支援に入ったのは、Bさんが施設入所する直前で、金銭管理を含めた総合的な支援や身元保証などを引き受けました。
妻のBさんは、施設費が収入を大きく上回っていたため、将来的に生活保護を受給することを視野に入れ、生活保護の方でも受け入れが可能な施設を探して入所しました。
一方、夫のAさんも施設費が収入を上回り、また誰も住んでいない自宅の家賃などを含めると、月に10万円程度の赤字状態でした。
そこで、わたしたちは、自宅の解約手続きを進め、同時にAさんの転所先の施設探しや、今後の収支計画をたてるなどの支援を行いました。
事は急を要したため、1カ月程度の猶予しかありませんでしたが、関係者の協力のもと、なんとか間に合わせることができました。
Aさんは転所し、結果、施設費が収入を下回ったため、赤字の状態から脱却することができました。
Bさんは、間もなく預貯金が底をついたため、生活保護の受給を開始することになりましたが、施設での暮らしを維持できています。 今は、夫婦別々の施設で暮らしていますが、また二人で一緒に暮らせることを目標に、Aさんは日々リハビリに励んでいます。