小規模多機能型居宅介護とは
#介護 #住居
2022.08.22
80代男性のAさんは息子と2人暮らし、認知症があり要介護3で、デイサービスを週4回と送り出しや迎え入れなどの訪問介護、ショートステイを利用しながら生活していました。
ある日、デイから戻り、息子が仕事から帰宅するわずかな間に、一人で外出し自宅に戻れなくなってしまいました。幸いにも警察に保護されて大事には至りませんでした。関係機関が協力して、鍵閉め徹底などの対策を取りましたが、ほどなくして自宅付近で転倒しているところを発見されます。
息子は、まだ一緒に暮らし続けたいと希望しましたが、今までと同じ生活を続けるのは難しい状況です。
そこで、Aさんは『小規模多機能型居宅介護』を利用することになりました。
小規模多機能型居宅介護とは、
「通い」(デイサービス)
「泊り」(ショートステイ)
「訪問」(ヘルパー)
を組み合わせて利用するサービスです。
通常のデイサービスやショートステイでは、それぞれの事業所と契約をする必要があります。しかし小規模多機能型居宅介護は、一つの事業所から3つのサービスを利用することができます。
「通い」
通常のデイサービスと違い、希望する時間に利用することができます。
「泊り」
日中通った施設にそのまま泊まることができます。また、通常のショートステイだと、事前に契約や予約が必要ですが、小規模多機能では、定員に空きがあれば利用することができます。
「訪問」
必要な時に希望する回数、利用することができます。
今までのデイサービスは16:00までと時間が固定されていましたが、こちらの「通い」では時間延長と夕食の提供が可能になり、勤務時間が不規則な息子の都合にも臨機応変に合わせられ、Aさんは自宅暮らしを続けることが出来ました。
よく似たサービスに「通い」「泊り」「訪問看護」の3つを組み合わせた看護小規模多機能型居宅介護もあります。
こちらは「訪問看護」がありますので、胃ろうや吸引、在宅酸素など医療ケアが必要な方も、自宅で利用が可能です。
◆ 利用条件 ◆
1.要支援・要介護認定を受けている。
2.利用する事業所と同じ市町村に住んでいる。
◆ 利用料金 ◆
介護度に応じた定額月額制です。利用回数の増減では基本料金は変わりませんが、食費・宿泊費などは別途かかります。
●小規模多機能型居宅介護
介護①1万円 ~ 介護⑤2.8万円程度
●看護小規模多機能型居宅介護
介護①1.2万円 ~ 介護⑤3.1万円程度
※金額は自治体によって異なります。
※ 注意点 ※
1.小規模のため定員がある。
2.料金が定額制のため、今まで利用していたサービスが少ないと、料金が高くなる場合がある。
3.現在担当のケアマネージャーから、小規模多機能のケアマネージャーに変更が必要になる。
4.部分的にサービスを変更できない。
5.併用できる介護サービスに限りがある。など
在宅介護をしていく中で、病状の進行などの限界を感じたら、ケアマネージャーなどに相談し、サービス内容の変更や新しいサービスの利用を検討することも大切です。 助け合い村でもご相談を伺っていますので、お気軽にお問い合わせください。