高齢者が住み替えをする場合の選択肢
#住居
2023.02.13
単身になった等の世帯構成の変化や、現金を確保するために自宅を売りたい場合など、高齢期に入ってから住み替えを検討する機会があるかと思います。
例えば、配偶者がなくなり、今のアパートは広すぎるし家賃も高いので、もう少し小さな低家賃のアパートに引っ越しをしたいというケースは一般的によくみられます。
しかし、実際には入居先がなかなか決まらず、そのまま住み続けなければならなくなったということも少なくありません。
助け合い村は、県から指定を受け『居住支援』を行っています。20代から80代まで幅広い年齢層の方から相談をいただきますが、高齢(65歳以上)の方の入居先探しは、やはり難航することがほとんどです。
まず、民間アパートへ入居できる可能性はかなり低い傾向にあります。
主な理由として、入居の際に保証会社の審査に通らないことがあげられます。
一般的に、入居審査に通りやすい年齢層は22歳から55歳といわれており、65歳以上の場合では、基準がかなり厳しくなってきます。
働いている、子や近しい親族がいる場合等は多少審査に通る可能性が上がるようですが、収入が年金のみで、子や近しい親族がいない場合は厳しくなってしまいます。
仮に保証会社の入居審査を通ったとしても、貸主(オーナー)の審査に通らない場合もあります。
オーナーには、法人オーナーと個人オーナーがあります。
法人オーナーの場合は、年齢の制限や仕事をしていることなどが絶対条件となっているところもあり、審査基準が厳しい傾向にあります。
個人オーナーの場合は、個別に融通が利く可能性があるため、運よく入居できたというケースもありますが、基本的には孤独死のリスクなどがあるため、高齢者は敬遠されているというのが実情です。
このように、高齢の方が民間アパートに入居するというのは現実的ではないと言わざるを得ません。
現実的な高齢者の入居先として(老人ホーム等を除き)以下のものがあげられます。
1.UR(独立行政法人都市再生機構)団地
保証人不要で年齢制限なども特にありません。
入居の条件として「収入が家賃の4倍以上」であることが必要ですが、収入条件に満たない場合でも、「預貯金が家賃の100ヵ月以上ある」、または、「一年間分の家賃を前払いする」ことで入居することが可能です。
2.県営住宅
基本的に所得が少ない方向けの物件です。
年齢条件や連帯保証人などを必要とする物件もありますが、そういった条件等がない物件もあります。入居者募集についても、随時行っている場合と一定期間内で行ってる場合があります。入居に際しては県の住宅供給公社に相談し進めていく形が一般的です。
3.セーフティネット住宅
登録された民間アパートなどをセーフティネット住宅といいます。年齢の条件などは物件によって異なりますが、登録されていない民間アパートより審査が緩く、保証会社の審査に通らない方でも入居できる物件もあります。
ただし、まだまだ絶対数が少ないため、空き物件があまりないのが現状ですが、タイミングよく高齢の方が入居できたというケースもあります。
いずれの場合も、入居までに時間を要するケースが大半です。住み替えを検討されている方は、早めに入居先探しに取り組むことをおすすめします。