相談支援員 ブログ

多剤服薬による薬害とは

複数の薬を服用すること、薬害(医学用語ではポリファーマシーといわれています。この文章では、「多剤薬害」と表記します)が問題となっています。

多剤薬害とは、多くの薬を服用することにより副作用などを起こすことです。令和2年には、入院時に薬の処方を減らした場合の「ポリファーマシー加算」という制度が始まったことからも、深刻な問題といえます。また日本老年医学会では「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」というパンフレットで注意を呼び掛けています。

何故多剤薬害が起きるのでしょう?

背景としては、高齢化です。高齢者は様々な病気で、複数の病院にかかっていることが少なくありません。それぞれの病院で処方されている薬は2〜3種類でも、受診先が増えれば薬も増え、結果的に多剤薬害が発生しやすくなります。

また、病院側にも、十分に服薬状況を確認せず薬を処方してしまう傾向にあります。また患者は薬に頼る傾向が強く「良く効く薬を処方してくれる医者が良い医者」と思う傾向にあります。また、副作用等を抑えるために、新たな薬を処方されたり、予防的に薬を処方される場合(細菌感染予防のために抗生物質等)もあり、薬が増える結果となります。

6種類以上の薬を服用していると、多剤薬害が発生しやすいといわれています。2014年の厚労省の調査では、75歳以上の4人1人が7種類以上の薬を飲んでいるという結果が出ていますので、十分注意しなければなりません。

多剤薬害による副作用が起きると

副作用には、軽いめまいやふらつきから、肝機能障害や低血糖を引き起こすもの等様々です。最悪の場合は、死亡に至る場合もあります。軽いふらつきやめまいであっても、転倒し骨折するなどして、その後の日常生活に大きく影響することもあります

多剤薬害を発生させないために

多剤薬害を発生させないためには、まず何よりも医療者側が安易に薬を処方しないことが大切ですが、患者側もなんでも薬に頼らないという」ことが大切です。

次のような場合は、要注意です。

①通院しても、ほとんど診察がなく薬だけもらう 

②10年薬が変わっていない

③副作用について説明されたことがない。

このような場合は、自分自身で対策しなければなりません。薬は毒にもなるということを知っておくことです。

頭痛薬は頭痛にだけ効くのではありません。全身の細胞が影響を受けます。また、薬には必ず副作用があります。

薬を飲んでいる人は、飲んでいる薬の副作用を薬剤師に相談しましょう。該当する症状がある場合は、医師と減薬や断薬の相談をしましょう。 「ふらふらする・頭がボーっとする・物忘れがはげしくなった等」加齢かな思っていたら、多剤薬害によるものということもあります。減薬や断薬で症状が改善する場合もあります。ただし、自己判断減薬や断薬をしないようにしましょう。長期的に服用している場合など、禁断症状がでたり、病状が悪化してしまうこともあります。

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