相談支援員 ブログ

リビングウィルとは

こんな相談を受けたことがあります。

高齢の親が病気で入院している。長期間の治療と入院からか、最近では「早く死にたい」と言うようになった。子としても親のそんな姿を見ているのが辛い。どうしたらいいのか。

昨今、「尊厳死」という言葉が一般的に使われるようになりました。病気等によって死期が迫っている、意識のない状態が長く続いているなどの状態になった時、延命を目的とした治療を受けず、自然死を望むというものです。

冒頭の相談者も親が尊厳死を望んでいるのであれば意思を尊重したいとのことでした。

ここで疑問や問題が生じます。

まず、その「尊厳死」の意思にどこまでの信頼性があるのか、ということです。

人間は痛みや苦しみの状態にある時、正常な精神状態であるか本人以外にはわかりません。 

治療中に苦しい思いをして「早く死にたい」と話していた人が、治療が終わり通常な状態に戻ると「美味しいものが食べたい」と笑顔で話したりすることはよくあります。

 認知症を発症している場合も同様で、正常な判断のもと尊厳死を望んでいるのかどうか判断がつきません。

 もう一つ大きな問題点として、治療は中断することが難しいということです。治療中であるにも関わらず、本人や家族が望んでいるからとの理由で、治療を中止中断すれば医師が罪に問われる危険性があります。

 治療開始前であれば、治療を受ける受けないという本人の意思は尊重されます。しかし、一旦治療を開始した後では必ずしも本人の意思が尊重されるとは限りません。

これは延命治療についても同様です。例えば、人工呼吸器をつけて生命維持をしている場合など、途中でその人工呼吸器を外すことはほとんど望めません。

意思表示は元気なうちに

 望まない治療を受けたくないというのであれば、治療を受ける前に意思表示をすることが重要です。

リビングウィル」など意思表示を記した書面を作成し、家族などに託しておくことなどが具体的な方法として考えられます。

リビングウィルの必要性

人生の最期をどのように過ごしたいのか、延命治療についてどう考えているのかを書き留めておくことで、家族が本人の意思を尊重して充実した最期が迎えられるように準備してあげることが出来ます。また子どもが複数人いる場合などはそれぞれの意見の違いからトラブルになる可能性があるため、意思表示を託す人を指定しておくと良いでしょう。

一度リビングウィルを書いても、医療の進歩、金銭的問題や家族などの事情によって延命治療に対しての気持ちも変わる事があります。適宜見直し、書き換えることも大事です。

 意思表示をしておくことについて、早すぎるということはありません。元気なうちに意思表示をしておくことをお勧めします。

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