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2024年度介護保険制度の改定

介護保険制度は、3年に一度、大幅な改定が行われます。

2024年度は、この大幅改定の年です。

政府が、重要課題と位置付けていた、①要介護1・2の総合事業への移行(要介護1・2を介護保険制度から外すこと。要支援では実施済。)と②ケアプランの有料化は、見送りとなりました。しかし、次回(2027年度)導入に向け継続論議されています。

主な改定は次のとおりです。

・介護報酬の引上げ(1.59%)
・訪問介護報酬の引下げ
・ショートステイ報酬引下げ

等です

  • 介護報酬の引上げ

介護施設で働く人の、給与の引き上げや、介護施設の経営改善のため基準報酬が引き上げられます。1.59%と大幅な改定となっています。最近の物価高騰やコロナ禍で打撃を受けた介護業界にとっては、時宜を得た改定といえます。ただしこれに伴い利用料も引き上げられます。

  • 訪問介護の基本報酬の引下げ

施設系の介護報酬が引上げられるなか、訪問介護関係(訪問介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応サービス、訪問リハビリ)の基本報酬は引下げられました。この引下げに関係者は驚きの声を上げています。引下げの理由としては、施設系の介護事業所に比べ利益率が高い事業所が多いことが挙げられています。しかし施設併設型(有料老人ホームやサ高住等に併設されている事業所)と単独型では全く状況が異なり、単独型の事業者は経営ができなくなる恐れがあります。現状でも訪問介護は、なかなか利用できない状況にあり、より利用が困難なることが心配されます。政府が掲げる「地域包括ケアシステムの深化・推進」とは全く逆の改定といえます。

  • ショートステイの報酬引下げ

ショートステイの連続利用日数は30日までが限度です。31日以上利用する場合は、自費宿泊を挟み利用を継続するのが一般的です。31日目からの利用については、1日30単位の減算が適用されています。今回の改定では、61日目以降を対象に更なる減算を新設します。合わせて、31日目からの利用にも、基準報酬の引き下げを予定しています。

ショートステイの長期利用を抑制のための改定といえます。このことで、31日以上の利用は受け入れが難しくなります。(採算性が下がるため、施設側が長期の受入れをしなくなります)

病院退院後の一時利用や、特養などの介護施設の入所待ちのための利用などができなくなり、病院を退院できない人や、老健を退所できない人増えてしまうことが予想されます。 今回の改定は、重要提言が先送りされたことで一見大幅な改定はないように思えますが、介護保険制度の根幹を揺るがしかねない内容を含んだ改定です。介護保険を利用している方のところには、今後利用施設から、利用料の改定や利用方法の変更の案内が届くと思いますので、ご確認ください。なお、改定予定は4月からです。(一部6月から)

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